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先生のオススメ

生涯最高の失敗

田中耕一著、2002年ノーベル化学賞受賞(当時43歳)「なんで私が」。失敗が偶然成功につながっただけ、と考えてはもったいないです。研究の大変さと価値を読み取ってください。

本人も周囲も驚いた、田中氏のノーベル賞受賞。その驚きや混乱を含め、書かれた本です。

驚きと混乱の様子は興味深いのですが、読んでいただきたいのは、研究の大変さと価値です。もし、この本を手に取られて、最初から読むのが大変と思われたのであれば、138ページからの「生涯最高の失敗」の節を読んでください。単なる偶然で運が良かったからできた発明・発見ではなかったことがわかります。研究が暗礁に乗り上げた状況でも粘ったこと、失敗を繰り返して「勘が冴えてきた」ことが、成功につながったと読めます。

地道に努力したとしても、最後のところで気づかなければ、重要な発見はなかったわけです。だからこそ、得られた知見は重要で尊いものだといえます。

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