REVIEW
HIU Books
先生のオススメ
揚げて炙ってわかるコンピュータのしくみ
尖ったタイトルと裏腹に、コンピュータサイエンスを幅広く学べる技術書
一見、いや、何度見ても意味不明なタイトルに感じると思います。でも、技術的に大変面白く、いたって真面目に書かれた本です。
なぜ揚げて炙るのか。そもそも、何を揚げて炙るのでしょうか。揚げて炙るのは、コンピュータの心臓部とも言える部品である半導体チップです。はんだを高温で溶かして半導体チップを基板から取り外すために油で「揚げて」、半導体チップのプラスチックカバーを崩してチップを直接見られるようにするためにガスバーナーで「炙って」ます。揚げて炙ることには、きちんと意味があるのです。
書内では、揚げて炙って半導体チップを直接見る方法や、チップを直接見ることで読み取れることについて解説されています。それだけではなく、トランジスタ、論理回路、CPU、ソフトウェアと、コンピュータに関する様々なトピックが扱われ、コンピュータサイエンスの基礎が幅広く学べる本となっています。
第13回日本タイトルだけ大賞 上田渉賞 受賞。